設立にあたって
学部時代、まちづくりの面白さに目覚めた渡邉高章君は、日大から東大大学院都市工学専攻に進学した。1,2年後、わが家にきた彼は、絵に描いたプランに陥り易い都市計画ではなく、金勘定をふまえた現実的なまちづくりをしたいといった。しかもそれは、住民や市民に役立つまちづくりの仕組みづくりをめざしていた。その後音信不通になっていたが、彼の情報は、鞆の松居秀子さんから得ていた。鞆の浦は、わたしの研究室で定年を迎えるまでの13年間、まちづくりの実習場所でもあった。
そして今回、鞆で別途まちづくり会社を立ち上げるという。学生時代の夢を具体化し、次なる夢の実現をめざす渡邉高章君に絶大なるエールを送る。
日本イコモス国内委員会「技術遺産小委員会」主査
産業考古学会理事(元会長)
元日本大学教授
渡邉高章氏は私が東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻に研究室を構えていた際の大学院生の一人です。私の研究室は研究プロジェクトと称して全国各地の現場に学び、現場から考えることを通して、環境保全にかかわる都市計画の一歩先を行くような研究を続けてきました。渡邉高章氏もその先兵のひとりです。チームで考え、チームで力を出し合うことによって、個人ではできない高みへ到達できる、というのが研究室のモットーでした。彼はその理想を体現しようと、アーバンギークスを立ち上げたのだと思います。
大学院修了後は都市の経済的な側面の修行をしてきただけあって、都市の物的な側面と経済的な側面とを並行して考えることのできる稀有な人材として育ってくれています。
今後の渡邉高章氏の活躍におおいに期待したいと思います。
西村幸夫